バリの森が痩せてきていると指摘されています。

 ここで、少しずつでも森を回復しようという取り組みが始まっています。

 ウブドをはじめバリ在住、あるいは日本からも有志の人たちが参加して、

 「バリの森を考える会」が発足しました。

 根っこではつながる環境問題で、ゴミのプロジェクトと協働しようというグループです。

 皆さんも一緒に考え、一緒に行動しませんか?


*以下は同会の光森史孝氏による報告文です。光森氏のご厚意により転載させていただきました。

 ●《バリの森を考える会の報告》

  バリ日本人会文化部の支援で、第2回の勉強会を2009年2月22日、

  ウブドのビラ・ビンタンで開きました。

  少し遅れましたが、その報告です。今回は、日本の特定非営利活動法人(NPO)「アジア植林友好協会」の

  事務局・植林プログラム担当の竹内隼人さんとバリ森林保存協会代表のプトゥ・スウェディアさんを

  ゲストスピーカーに招き、バリの森の現状、植林活動の状況、今後の課題などについて話を聞き、

  今後の活動についてなど、約20人の参加者で話し合いました。


  竹内さんは、かつてジャカルタで留学、同地の大学で日本語を教えていたが、2002年からNPO活動に参画。

  カリマンタンで、植林を行い、去年からバリのバトゥル山麓で植林を始め、今年も苗木の生育状況を見るため、

  ウブドを拠点に10日間、山へ通っていました。

  プトゥさんは、かつてバドゥン県の森林局長などを勤め、退職後、同協会を立ち上げ、多方面で活躍されている方で、

  日本のNPOとも連携しながら、植林を進めています。

  バリの森の現状について、「こんなに緑が一杯なのに・・・心配しなくてもいいのでは」という声を、

  よく聞くのですが、お二人の話を総合すると、楽観できる状態ではないことが、よく分かりました。

  本来、島の森林率は30%が必要なのに、現在は23.7%。森が減って保水力が弱まり、

  島の水がめであるバトゥル湖、ブラタン湖に異変が起こっているそうです。

  バトゥル湖の水位が、ここ数年で2m低下、ブラタン湖の周辺では泉が枯れるなどの現象が見られ、

  島の命とも言える水の循環サイクルが変調をきたしています。

  農業、観光にとって軽視できない問題です。森林のうち30%近くを占めるマングローブ林も衰退し、

  南部の海岸地帯が浸水の危機にさらされようとしています。

  インドネシア全体では、さらに深刻な地域もみられ、昨年11月、大統領令で各自治体に1億本の苗木を配布し、

  11月28日を植樹の日と定めて植林活動を展開しようとしているが、まだ取り組みは不十分で、

  国全体の動きにはなっていないということです。


  バリでは、竹内さんたちの協会がバトゥル山麓の噴火による荒地80haに8万本の木を植えようと

  取り組んでいます。

  いままで2年間で10haに1万本を植えたが、まだこれからということです。

  このエリアだけでも、2千haの荒野が広がっており、このほかタバナン、カランガッサムで、

  早急に手当てが必要な荒地が2千haあるそうです。

  プトゥさんは、日本はじめ諸外国の協力も得ながら、一歩ずつ前進させているが、まだまだこれから。

  特に森林のプロを育てる人材育成プログラムが緊急の課題。

  そして、木を植えるだけでなく育てる文化を地域に根付かせたいと力を込めて話していました。

  大きな課題に向かって、私たちが協力できることは何なのでしょうか。まだ会はスタートしたばかり。

  2回の勉強会と、高校生たちの植樹に2回、参加しただけで、会の組織もまだ整っていません。

  でも、毎日、楽しく暮らさせていただいているバリを、より自然豊かな島にするために、

  一歩ずつ進めていきたいと思っています。

  これから一緒に考え、行動しようという方、仲間に加わってください。

  バリの森を考える会に関心をお持ちの方、会に加わってやろうという方、以下のメールに連絡ください。

  次回の会合など連絡します。よろしくお願いします。

  連絡先 光森史孝 n-mitumo@da2.so-net.ne.jp